STORY

食用

作者の問いかけ

動物が殺される時の その叫びを聴いて、あるいは想像して、あなたはその動物の肉をおいしい、と思えますか。
人間も動物です。
食べることを責めたい訳でもないし、誰かに押し付ける気はなく、
ただ、そのお肉はあなたと同じように生きていて その卵は生き物の赤ちゃんなのだよ、と言いたい。
人間が動物を殺し食すことは本能だと思ったけれど、歯の形から人間は元々草食動物なのだと知りました。知恵、欲望、文化と共に野蛮になっていくのが人間の食事なのでしょうか。
でも美味しい食事を作るコックさんや、愛情を込めてごはんを作る母親 あるいは父親をとても尊敬しています。
美味しいって、とても大事ですよね。
私は動物性は食べられないけど、好きな料理はたくさんあります。大豆は栄養のある植物のお肉ですから。

流行りやファッションが付きまとうのが人間の食事。
誰かが言った。「ジビエ?おもしろそ~!」
まず話したいのは、動物性のファッションについて。
誰かが言った。「ビーガンファー?新しい!おしゃれかも~」
当たり前になったフェイクファーが、ビーガンファーやエコファーと呼ばれている。
何を求めるかで。

私は動物愛護団体が好きじゃない。
何を求めるのも個人の自由だと思うから。
何もかもが虐待ではないと思う。

私はおしゃれというくくりが苦痛で。一個人として、ファッション的な思想が好きじゃなくて
おしゃれとすてきの違いが多々 世界にはたくさんある。

トレンド、と書いてあると皆飛びつく時代。

毛皮や毛、革の商品の扱いを多くのハイブランドからファストファッションまでやめてきているけど、それはブランド自体の印象をよくしようとしているに過ぎない。
動物愛護団体に目くじらたてられ、このブランドはリアルの毛皮を扱っている、虐待だよね、などとSNSで悪く書かれ拡散されたら、そのブランドのイメージに未来はなくなる。
本物の毛皮が時代遅れになっている現代。その時代もファッション雑誌が読者に圧力かけて、世間が望むものがフェイクな時代になった。勿論生産者は望むものをこぞって作り売る。それがファッションだ。
現に、またリアルが流行ればリアルな動物製品を売り出す未来を念にいれての事だ。
あるファストファッションブランドは、動物性に関してもはや経営方針を守ってはいない。(ものは安くてかっこいいけどすぐに駄目になる。動物愛護を主張したハリボテのようなブランド。)

環境保護の事を考えると、リアルファーやリアルレザーを使ったほうがいいし、長く使用できる素材の服を生産していかないと 本当の意味で地球に良くないことを生産者は頭にいれなくてはいけないと思う。だからって動物を殺す推進をしているのではない。
レジ袋はエコの為といっさいなくなり、プラスチックビニールで出来た大量生産の合皮ブーム。それらは数年でボロボロになってゴミになる。
エコ、エコ、沢山聞こえる偽物のエコロジー精神。

動物愛護、エコロジーを主張したあるブランドはビーガン、リサイクルを表記している。
そのブランドじゃないが、日本人女性モデルのマリエは、いち早く捨てられてしまう動物の革を余すところなくリサイクルした製品のブランドを立ち上げた。

本当に、動物愛護や環境問題を取り上げると煙たがれる。
それに立ち向かう事は、とてもエネルギーがいる。
マリエは言った。
「人間が動物の皮や毛に憧れる事は本能だと思うんです。だから私は中国に行って、ジビエなどで残った捨ててしまうような皮のはぎれを買い、それをリサイクルして製品に変える事をしています」
私はマリエさんを尊敬している。
本物の毛皮は手入れがすごく大変らしい。生き物を永久に面倒みるような。それくらいする覚悟して買う人はいいね。お手入れすれば永久に輝きを失わないらしい。孫の代まで受け継がれ、受け継がれ続ける生き物の毛皮のコート。
だけど 
飼い犬が死んで泣いている人がいる。その人は寒くない。でも毛皮のコートが欲しくて高いお金を払って無理をしてでも買う。その人は人工ファーや合皮じゃ自分が許さないらしい。 
そんな人にはなりたくない。
寒くて震えているかわいそうな人がいたら躊躇なく着ているものをかけてあげられる人になりたい。私はそう昔から思ってきた。
フェイクレザーの服であれ、リアルレザーの服であれ。


最初から「食用」という名前がつけられた、人間が食べる用の命なんて、あってはいけない、
そう思って「食用」というお話を書きました。
人間の傲慢さを。
この「食用」は絵本にはしない。こんな残酷な描写はハリウッド映画で手慣れて過激に作られた描写で、誰でもいくらでも想像できる。
第一話のYulin祭がきっかけで、人生二度目 動物が食べられなくなった。

「卵も食べないの⁈美味しいよ?」と呆れた人もいて、
「動物を食べる食べないは自由だけどさ、だからこそ人間は'いただきます'を言うんだよ」と言った人もいた。
そう、「いただきます」と云うのはとても大切だな、と思う。
私はスピリチュアルな精神や思想が苦手でもあるのに、宗教みたい、とか言われるし 憶測だけで身体によくない、とか色々言われるけど 動物性食べなくても変わりなく生きていられるし、パワーもある。
何に重点を置くかで、私はそう選んだことに無理はなくて、お説教される必要はない。
しかし植物だからいい、と思っているわけではない。
植物は人間にとって、生きる上で最もありがたい大切なもの。ほんとうは、生きる上で何の命も奪わない生き方ができれば一番よいのだけれど、そうはいかない。
ひっくるめて、環境問題の方を大きく考えていきたい。人間だけが住んでる星じゃないから。

幼い頃 家でグッピーを飼っていた。グッピーは人工魚なのだと親に教えられ、子ども心にわくわくした。
グッピーが弱って、親がキッチンの三角コーナーに捨てた。グッピーはピチピチもがいていた。
耐えられない気持ちに、人工の魚だから大丈夫って自分にいい聞かせたけど、今でも夢に見る記憶。
それにグッピーは人工の命なんかじゃなかった。
ずっと言いたかった
お母さん、人工の命なら捨てていいの?
子どもに適当な事を言って何も感じないの?

これらの話をどう思われるかは自由です。

私は偽善だろうと何だろうと、生き物の命が大事なんです。

5/13

プロフィール/オトナコドモ舎 主宰

プロフィール画像
クロカワミツヨ/黒川光世   映像作家・絵本作家
8mm Filmに限っては自家現像をしています。
経歴
代表作・「陽餌」16mm
・「紐理論」16mm、ビデオ
・「泡姫のおとしもの」8mm 調布映画祭入選作品 
、その他。ミュージックビデオも手がける。
2011年 桜台poolにて、個展「MITSUYO OHYA MUSEUM」を開催。
2023年 出版社「オトナコドモ舎」を設立。
 同年、絵本「ひとしずく」を11月に出版。

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